この時期は、ドイツ語でFasching (ファッシング)つまり謝肉祭の時期です。
謝肉祭はカーニバルと日本でも言われることもありますが、中世ラテン語のcarnem levare (ドイツ語ではFleisch wegnehmen・・・直訳で肉を取り上げる)、またはcarne vare(肉よさらば)から来ているという説が一般的でしょうか。
他の説としては、冬を追い払って春の到来を祝う古代ゲルマン民族の習慣に由来し、その農耕祭で船を仮装した山車carrus navalis(車・船の意)を由来とする説などもあるようです。
Fasching(謝肉祭)はFastenzeit(ファステンツァイト)、日本語で四旬節の前です。
四旬節は、灰の水曜日からイエス・キリストが磔になりその後復活する前日までの時期で、伝統的には食事の節制、祝宴などの自制をし、祈り・断食・慈善が基本となります。
ドイツ語でOstern (オステルン)これが日本語では復活祭と訳されています。
復活祭の習慣についてはまたその時に書きたいと思いますが、復活祭は移動休日です。
復活祭は今年2014年は、4月20日の日曜日です。
そこから日曜日を除いて40日間遡った日が、Aschermittwoch (灰の水曜日)で、今年で言えば3月5日です。
その前日の今日3月4日火曜日がFaschingのクライマックスです。
この40日間はイエスが荒野で断食をした長さですね。
紀元600年頃にどうやらローマ教皇グレゴリウス1世が復活祭前の断食時間を定めたようです。
そのため謝肉祭は厳粛な時がやってくるのでそれに伴って断食を・・・その前にバカ騒ぎをしようじゃないか・・・という意味があるわけです。
謝肉祭はいつから始まるかというと・・・ドイツ語圏ではたいてい1月6日の聖三王の日(Heilige Drei Könige)からというのが一般的でしょうか。
グレゴリオ1世の時代の謝肉祭は、四旬節が現在より6日遅かったようです。
11世紀終わりに四旬節の初日が灰の水曜日に定められ、12世紀には現在の長さになっていたようです。
また場所によっては11月11日11時11分から謝肉祭が始まる所もあるようですが、これは19世紀以降に登場した習慣です。
11月11日と言えばウィーンの場合クリスマス市すらまだオープンしていません。
これからクリスマスが来るまで街が盛り上がるわけで、その時に謝肉祭の雰囲気は全く感じません。
この時期には家庭内、街のレストランや店内にはちょっとした飾り付けが多く見られます。
そして謝肉祭の最終火曜日に近づくと、街中でも仮装した人を多く見ます。
スーパーの店員さんなどもその時期仮装している人も多いです。
また、幼稚園、小学校でもFaschingパーティーが行われ、子供達が仮装して登校します。