ウィーン中心から車で22km南へ走ると、Hinterbrühl(ヒンターブリュール)というウィーンの南の森の街があります。
Hinterbrühlは、シューベルトが「菩提樹」の発想を得たというゆかりのレストラン「Höldrichsmühle」(ヘルドリッヒスミューレ)もあります。
そこから2.5kmしか離れていない所に、6.2km²もある「Seegrotte」(ゼーグロッテ)というヨーロッパ最大の地底湖があります。
Seeというのはドイツ語の男性名詞で使った場合は「湖」という意味で、Grotteは「洞穴」と
いうような意味です。
つまり洞穴の中にある湖・・・みたいな意味です。
ここは1848年にオープンした元々は石膏鉱山でした。
当時のこの土地の所有者は、ここに泉を作ろうと、地下に向けて掘り始めたら
地下にはたくさんの石膏がありました。
忙しい時には約80人程の工夫さんが、けたたましく走るトロッコと仕事をしていました。
ここで採掘された石膏は肥料などとして売られていたそうです。
1912年に水脈を掘り当て、2000万リットルという大量の水が入り込んで来ました。
その後色々と努力をしましたが、結局閉山されました。
その後1932年にここを観光用として使おう・・・ということになり、足場を整備し、配電設備行われと・・・観光用としてスタートしました。
その後、第2次世界大戦の末期、ナチス軍がここを発見し、何とジェットエンジンを搭載した飛行機の製造工場になりました。
ナチス軍は、1944年5月~1945年3月までここで飛行機の製造をしていました。
驚くことに彼らは、排水ポンプを設置し、水を外に抜き出しながら仕事をしていたのです。
その後整備され、1948年から現在に至っています。
ウィーンの森と地底湖というのは結びつきがないですが、ここはとても神秘的で、鏡のような水面を見ることができます。