2013年9月22日付で美術史博物館の天井画を紹介しました。
その美術史博物館の吹き抜け大階段ホールの天井画は見るものを圧倒します。
たいていここを訪れる方は、2階の絵画コーナーがメインですので、通常エレベーターを
使用しない限り、この大階段を上がって絵画コーナーに足を踏み入れます。
その時に天井にはその「ルネッサンス讃歌」が迎えてくれるわけです。
今日ここで紹介する天井画は、中2階にあるKunstkammer(クンストカンマー・・・芸術の小部屋)にある天井画です。
この写真は天井画全体がわかりやすいような向きで掲載しています。
この天井画は、Julius Victor Berger(ユリウス・ヴィクトーア・ベルガ―)が手掛けた、「ハプスブルグ家の芸術奨励者」です。
Julius Victor Berger は、1850年現在のチェコのモラビア地方Neutitscheinで生まれ、ウィーンで1902年に亡くなっています。
彼は14歳にしてウィーン美術アカデミーで学び、奨学金をもらい3年間ローマで修行しています。その後同じ画家仲間のEmil Jacob Schindler (エミール・ヤコブ・シンドラー)とその妻Anna(アンナ)と共同生活をします。
シンドラーが温泉療養中にベルガ―はアンナと深い関係になり、そこから子供が生まれます。
有名なアルマ・マーラー(作曲家マーラーの妻)との父親違いの姉妹です。
アルマ・マーラーの父親はエミール・ヤコブ・シンドラーです。
1881年にベルガ―は工芸美術学校の教授に、1887年からはアカデミーの教授になり、ハンス・マカルトとも親しい間柄でした。
この天井画はキャンバスに描かれ、当時の巨匠による肖像画をベースに、熱心な芸術家奨励者であったハプスブルグ家代々の皇帝達が登場しています。
中央の椅子に座っているのはマクシミリアン1世で、その私達から見て右側にアルブレヒト・デューラーが立っています。
左側の黒の服を着た人物が、カール5世、私達から見てその左の赤い服を着た人物がティツィアーノ、そこに座っている女性はカール5世の妻ポルトガルのイザベラです。
このKunstkammerは、長い改装が終わって2013年3月1日より一般公開されています。
美術史博物館に行った方は是非見て下さい!