ウィーンには歴史ある重要な教会がたくさんあります。
今回はフランシスコ会の教会について少し書きたいと思います。
ウィーンの旧市街地の一角、その名前の通りフランシスコ広場に位置している美しい教会です。
フランシスコ会はアッシジのフランシスコが13世紀初頭1209年にローマ教皇から認められた修道会です。
フランシスコ会はウィーンには1224年にバーベンベルクのレオポルド6世によって呼ばれました。
最初は現在の ミノリーテン教会がある所に教会と修道院を作ります。
1451年からは、マリアヒルフに修道院を持ちますが、1529年オスマントルコによって壊されてしまいます。
そこで14世紀終わりに建てられた、ある女性修道会が使用していた空き家になっていた現在のこの場所に、1589年にフランシスコ会が新たに入って来たわけです。
その後まもなく1603年から1611年までにこのスタイルで建てられました。
ウィーンでは貴重な南ドイツルネッサンス様式です。
でもこの窓を見るとわかりますが、ゴシック様式の部分も残されていますね。
当初1209年に設立されたフランシスコ会は小さき兄弟会(ミノリーテン)と言われます。
14世紀に入って会則が変わったり、緩和されたりしたことから1430年頃から枝分かれが生じ、最終的に1517年枝分かれし、ミノリーテンの改革派としてフランシスコ会が生まれます。
その後1528年にはさらに枝分かれしたカプチン会も成立しています。
現在のミノリーテンはフランシスコ会、カプチン会よりも規模が小さくなっています。
ちなみにこの最初のミノリーテンから1212年にClarissen(クラリッサ女性修道会)が設立されています。
ここのFranziskanerplatz(フランシスコ広場)はウィーンの旧市街地の絵になる広場のひとつです。
この教会は、聖人のヒエロニムスに捧げられています。
そのため、教会入口の上には彼が立っていますね。
広場にあるのはモーゼの噴水です。
またこの広場には有名な「KLEINES CAFÈ」もあります。
教会の左側にはフランシスコ修道会の建物が隣接しています。
こちらは教会の内部です。
ここのメイン祭壇は、アンドレア・ポッツォによるものです。
以前イエズス会の天井のだまし絵について書きましたが、ここも
アンドレア・ポッツォによるものです。
このメイン祭壇の手前側は彫刻的に作られていますが、その内側に見られる、柱、建築構造、ドーム、雲は全てキャンバスに描かれているものなのです。
ポッツォならではのユニークさがあります。
また修道院の内部にはは、「Wöckherl Orgel」(ヴェッケルル オルゲル)という名物オルガンがあります。
このパイプオルガンは、1642年Johann Wöckherl (Weckerl)によって製作されました。
このパイプオルガンは、ウィーンで現在でも弾くことができるオルガンとしては最古のパイプオルガンです。
ヨーロッパの街はこのように、広場に教会が建っている所はとても多くあります。