モーツァルトの「魔笛の小屋」を9月24日に紹介しましたが、その魔笛に登場するパパゲーノが見られる「Papagenotor・・・パパゲーノの門」があります。
オペラ愛好家にはかなり知られているこのパパゲーノの門は、「Theater an der Wien・・・テアター・アン・デア・ヴィーン」にあります。
ここはよく日本語では、アン・デア・ウィーン劇場とも言われています。
こちらがそのパパゲーノの門です。
アン・デア・ウィーン劇場の前衛は、Freihaustheater,もしくはTheater auf der Wieden と呼ばれ、1787年に作られ、現在のOperngasse22-32番地にありました。
1789年から魔笛の台本を書いたエマヌエル・シッカネーダーがこの劇場の総監督となっていました。
この時にモーツァルトの魔笛はこの劇場で初演されたわけです。
その後、この劇場のオーナーStarhembergが劇場の賃貸契約を延長しなかったので、
シッカネーダーは新たな劇場が必要でした。
このTheater auf der Wieden の最後の公演は、1801年6月12日でした。
当然シッカネーダーは劇場の契約を延長できないと知っていたので、ウィーン川沿いの別の場所を入手し、劇場としてすぐに改装させました。
なんと最後の公演があった次の日の1801年6月13日には、この新しい劇場ですでに公演していたんです。
この新しい劇場がTheater an der Wien・・・アン・デア・ウィーン劇場です。
当時シッカネーダー時代の部分はほとんど残されていないのですが、このパパゲーノの門がある場所はその貴重な当時の部分です。
パパゲーノの門は、シッカネーダー自らパパゲーノとして、彼の3人の兄弟と共に登場しています。
このシーンはモーツァルトの魔笛の続編(初演1798年6月12日)で、シッカネーダー自らが手がけたもので、その中のシーンを表しています。
この劇場にはベートーヴェンも1803年と1804年に住んでいて、英雄交響曲の一部、オペラ「フィデリオ」の一部、クロイツァーソナタを書いています。
またベートーヴェンのオペラ「フィデリオ」はここで初演されています。
現在進行形で使われている劇場としては、ウィーン最古の劇場で、近年ミュージカルの劇場として知られていました。
特にエリザベートは大ヒットでした。
モーツァルト生誕250周年の2006年より、Staatsoper (国立オペラ座)、Volksoper(国民歌劇場)に並んで、ウィーンの3つ目のオペラハウスとして現在に至っています。
こちらでウィーン川は、Der Wienfluß,Die Wien と両方の言い方があります。
そこでウィーン川のそばにあることから、Theater an der Wien です。