10月15日に「ベルヴェデーレ宮殿」を少し紹介しました。
上宮と下宮の2つの宮殿とオランジェリーがあり、上宮の庭園と上宮と下宮の間にも庭園があります。
このベルヴェデーレ宮殿の上宮と下宮は文字通り、高さに差があり、その傾斜をうまく利用して庭園が作られています。
下宮と上宮の高低差は約23mもあります。
ベルヴェデーレ宮殿の庭園は、1717年から、
泉のエンジニアで、
庭師でもある
Dominique Girard
によって、フランス式庭園に造られました。
ベルヴェデーレ宮殿の庭園には、全部で12の泉、噴水があります。
この写真はその中のひとつで、上宮側からは全く見ることができない
「Kaskadenbrunnen」(人工滝の泉)です。
この泉は、1994年以来から止められ、長らく乾いていましたが、2010年4月23日から再び水が入ったこの泉を見ることができます。
この写真で噴水奥に見えている建物が、ベルヴェデーレ上宮です。
5段にわたり、下に行くに従って徐々に広くなりながら、傾斜をうまく利用して水が流れる
この泉はとても美しいです。
水が持つ視覚的効果と音響的効果は、バロック時代の庭園芸術においてはとても重要な位置を占めていました。
美しい印象的な泉は、その人物を賛美し、またその人物の
権力と富の象徴でもあったわけです。
この宮殿はプリンツ・オイゲンがトルコ軍との戦いを通して
地位と名声を手に入れた
大出世から建築されたものですが、そんな彼の偉業を表しているかのようです。
このような泉は視覚的にとても印象的ですが、その裏には何キロにも及ぶ水道管、排水管、トンネル、水を吸い上げるポンプ・・・このような技術的複雑さも当然克服されなければ
いけませんでした。
ちなみにプリンツ・オイゲンは、皇帝の宮廷水道管を使用する許可も持っていました。
このKaskadenbrunnenは、上宮と下宮の間で、若干上宮よりにあります。
ここに来たら、この泉を見ずに帰るのは惜しいです。