ウィーンのリンク道路は、様々な建築様式が見られることで有名です。
その中で、2本の塔がとても印象的な「ヴォティーフ教会」について書きたいと思います。
この教会は1879年4月24日・・・この日はフランツ・ヨーゼフ1世とエリザベートの銀婚式の記念日に献堂されました。
それより遡ること1853年、皇帝フランツ・ヨーゼフはテロに遭って、奇跡的に無事だった・・・そこで神に感謝して皇帝フランツ・ヨーゼフの弟マクシミリアンによって建てられました。
当時この教会を建てるためのコンペがあり、ヨーロッパ中から全部で75の案が出されました。
その中から、当時まだ26歳のHeinrich Ferstel が選ばれました。
工芸博物館(MAK)、ウィーン大学といったリンク道路の重要な建物も彼によるものです。
ベルギーやフランスには2本の塔を持った教会が多く見られますね。
パリの定番なノートルダムだって、四角い塔が2本あります。
そんな雰囲気ですが、このヴォティーフ教会はゴシックらしくて綺麗ですね。
全く余談ですが、東京都庁舎はパリのノートルダムをヒントにして生まれたものと言われています。
このヴォティーフ教会は、3層構造バシリカ様式で作られています。
バシリカ様式は、初期教会建築の典型的な建築様式です。
真ん中が高く、そこには採光の窓があり、左右に側廊があり、その側廊に窓がある・・・というスタイルです。
ちなみにバシリカはもともと建築様式としての表現ではありませんでした。
この教会は19世紀後半ですから、もちろんネオ・ゴシックです。
でもこの教会自体はゴシック様式で作られています。
教会全体的にはよくあるスタイルのラテン十字架形で作られています。
写真ではちょうど直角になっている部分が見えていますが、この左側に続いている部分が、ラテン十字架の短い部分です。
この写真のように上下と、たくさんのステンドグラスがあることがわかります。
ステンドグラスは外からは全く美しくないですよね。
教会内に入って、初めてその素晴らしい効果を見ることができます。
こちらは教会の横から正面側を見た光景です。
正面から見た印象的な2本の塔がちょっと違った雰囲気で見られます。
手前の大きなステンドグラスがはめ込まれた部分が、ラテン十字架の短い所にあたります。
ステンドグラスがはめ込まれた窓の装飾もとても印象的ですね。
こちらは教会内部のステンドグラスです。
このヴォティーフ教会は、ステンドグラスの数が多いですが、ここのステンドグラス自体はそんなに芸術的価値があるわけではありません。
しかし、外からの光がこのたくさんのステンドグラスを通して教会に入り込む・・・
その光景はとても素敵で、神秘的です。
ヴォティーフ教会だけでなく、ここのステンドグラスも見る価値は十分にあります!