バロックの都ウィーンの重要な建築のひとつペストの守護神カール・ボロメウスに捧げられた「カールス教会」があります。
この教会は、皇帝カール6世の命で巨匠建築家フィッシャー・フォン・エアラッハ親子により、1737年に完成しています。
この教会は建築的にも素晴らしく、
十分見ごたえがある教会ですが、何年か前から内部天蓋付近の修復作業が行われています。
基本的にその作業のために作られたエレベーターが教会内部にありますが、それが一般観光としても数年前から使用されています。
それに乗るとドームのフレスコ画を見の前で見られ、さらにそこからのびている階段を上がると、いちばん上の空間まで上がれます。
この教会の一番てっぺんまでの高さは72m、エレベーターで35m地点まで上がります。
この高さからちょうどフレスコ画が始まります。
この高さでも35mとはいえ、かなり高く感じ、さらに階段を上がっていくと、それに伴ってドームのフレスコ画もどんどん高い位置から
見えるようになってきます。
最後の最上階の空間からはウィーンの街の眺めが楽しめますが、外に出られるわけではないのでシュテファン大聖堂の北の塔から見るような爽快感はありません。
でも一番上の天井に描かれている精霊の鳩がすぐそこに見えます。
このフレスコ画はミヒャエル・ロットマイヤーによるもので、オーストリアバロックの有名人です。
普通教会のフレスコ画は下から見てすごいな・・・で終わりますが、ここは直接目の前で見られるわけです。これは他のヨーロッパの教会にはほとんどありません。
フィレンツェの有名なドゥオモも外から入って、内部でドームのすぐ下を半周して、外に出られるようになっていますが、その時にフレスコ画は近くで見られます。
でもフレスコ画が描かれた壁に対して水平ではないんですね。
このエレベーターは修復作業用ということなので、カールス教会の話によれば、修復が終わる時には取り外されるということです。
あと1~2年だそうです。
エレベーターは有料ですが、教会の言うように修復完了後撤去されるとすれば、もう二度と見ることはできないと思います。
そのためウィーンに来られたら是非見ておくことをお勧めします!
※2018年現在でもまだエレベーターはあります。