ウィーンのカフェについて以前も少し触れましたが、ウィーンは100年以上営業している「伝統カフェ」がいくつもあります。
そんな伝統カフェのメニューにも、ウィンナーコーヒーという名称はなく、また単純に「コーヒー」という名称も見当たりません。
もちろん世界の色々な方が単純に「コーヒー」と注文するので、
ボーイさんは「どんなカフェがいいですか」と聞き返し、カフェの種類を色々と説明してくれる所もあります。
メランジェ(Melange)が地元では一番飲まれています。
コーヒーとミルクが1対1で、ミルクが泡立ててあるものです。
こちらがアインシュペンナー(Einspänner)で、こちらでいうウィーンナーコーヒーです。
コーヒーが一番下でその上に生クリームが詰めてあります。
グラスで出されるのが定番で、生クリームの比率の方がコーヒーより多いですね。
コーヒーが生クリームを通過する感触を味わう・・・これが通とされています。
昔はコーヒーは高価な物で、庶民には手の届かない物でした。
しかし時代が進んで、庶民が飲み始めた頃・・・
馬車の御者もしょっちゅう飲んでいました。庶民の馬車は1頭立てで、ハプスブルグ家が使ったような6頭立ての馬車ではありませんでした。
彼らは休憩中にコーヒーを飲むことが多かったので次の休憩までコーヒーが冷めないように・・・と生クリームでふたをした、
また、揺れる馬車の上でもコーヒーがこぼれないように、生クリームでふたをした・・・この2つの説が一般的です。
ウィーンの生活の中から生まれたカフェのスタイルだった・・・だからウィーンナーコーヒーです。でもこれが名称とはならず、Einspännner「1頭立ての馬車」と言われるようになりました。