馬車(Fiaker・・・フィアカー)に乗ろう!

ウィーンの街中を歩けばここはずいぶん車が多いな~と思われるでしょう。

狭い道が至る所にある旧市街は軒並みの路駐状態です。

街の方がずっと古い歴史を持っているので、後から来た車が共存させてもらっている・・・という感じです。

そんな街中を優雅に駆け抜けていく馬車もウィーンならではの光景です。

馬車のことをこちらではドイツ語でFiaker(フィアカー)と言いますが、ウィーンでは現在60台弱のフィアカーが毎日大活躍しています。

私も仕事柄年間を通してフィアカーに乗ることも多く、"フィアカーで観光"するというウィーンならではの贅沢なひと時です。


 

ウィーンのFiaker(フィアカー)は20分コースと40分コースが提供されていて、料金もしっかり表示されていますから全く心配はありません。

乗り場はシュテファン大聖堂界隈(北塔側)、ミヒャエル広場が一般的で国立オペラ座裏側広場の一角にあるカフェTirolerhofのそばにも待機していることがあります。

フィアカーはどこから乗っても均一料金です。

20分コースが60ユーロ、40分コース が105ユーロ(2024年時点)となっていて、チップを少し払う習慣があります。

これは1台の料金ですから1人が支払う金額ではありません。

大人5名まで乗車できますから5人で乗った時が1人当たりの料金が一番お得になります。

(もっとも1人で乗車した場合はこの料金を払うことになりますが・・・)

 

ウィーンのフィアカーは非常にクオリティーが高く、とてもいい乗り心地です。

リンク道路のような大きな通りやもちろん石畳の小路も走ってくれますから全く退屈しません。

ウィーンの優雅な街中をフィアカーで走り抜ける優越感も芽生えてきますよ。

 


 

この時に乗ったフィアカーの御者は帝国時代からこの仕事をしているような雰囲気を持っていました。

左はシュテファン大聖堂のちょうど横を、右は市庁舎を前に見てといい景色です。

 


 

左はウィーンの旧市街を走る市バスで、この市バスと並走している最中です。

こんな場面にも遭遇することがあり、とても現代的な光景です。

右はアム・ホーフ広場です。

フィアカーに乗ると、視線が高くなりますから歩いている時とは違った目線になりますね。

 


 

フィアカーで走りながら見るリンク道路沿いの建造物もいつもとはちょっと違った素晴らしさです。

左は市庁舎、右はウィーン大学のメインキャンパスです。


Fiakaer(フィアカー)と言う言葉はいくつかの説がありますが、一般的にフランス語の"Fiacre"から派生したとされています。ニコラス・ソバージュというフランスの商人であり、辻馬車業者であった人物が1662年にパリのサン・フィアクルで最初の待合馬車の乗車場所を設置したということです。

ウィーンで最初のフィアカーのライセンスが発行されたのは1693年ということになっていて、1700年頃には700台も走っていました。その後増え続け、19世紀後半の1860年~1900年には1000台を超えていて馬車の全盛期でした。この時代はリンク道路が建設されて、様々な建造物が立ち並ぶバブル的な時代であり、人口も220万を超えていた時です。

 

現在では観光用としてウィーンの街に溶け込み、たくさんの観光客を楽しませてくれています。

汚物が路上に落ちないようにちゃんと袋をつけて走っていますよ。

ウィーンに来たら是非フィアカーに乗って下さい。

一瞬でも貴族になったような気持にさせてくれます。

 

別の日に乗った時の動画編はこちらから。