ウィーン西駅の難民状況

数日前に難民問題をテーマにし、ウィーンの街は生活や観光に全く影響がないことについて

報告しました。


一昨日の9月13日に仕事でザルツブルクに行きましたが、バスではなく国鉄を使って往復しました。

ウィーンから電車でザルツブルクに行く場合はWien Westbahhof (ウィーン西駅)を

使うのが主流で、ザルツブルク方面ということは当然そのすぐ先にはドイツがあります。

シリアなどから入って来た難民はハンガリーのブダペスト経由でウィーンへ、そしてオーストリアを通過してほとんどがドイツやスカンジナビアを目指しています。

 

そのため、ウィーンの西駅にも必然的に多くの難民がいるわけですね。

国鉄は通常通り動いているのか、特に私が乗る電車にも影響がないかどうか事前にちゃんと聞いた所、"全く難民の影響はなく通常通り走っている"とÖBB (オーストリア連邦鉄道)は答えました。

 

実際に朝、西駅に行ってみると・・・

 



 

Caritas (カリタス)が中心となって難民のために衣服、毛布、靴、食事などを提供していて、何の混乱もなくちゃんとオルガナイズされていました。

義援金などもここで直接受け付けています。日本でもカリタスジャパンが難民のための緊急募金を受付ていますよね。

難民の方はこのカリタスの窓口から必要な物を受け取ることができます。

ミネラルウォーターの量もすごいです。

難民の方々を助けようとする人々が忙しく動き回っていました。

 


 

駅周辺には思ったほどの難民はいませんでした。

作業し易いように臨時でテープが張られて場所が確保されていました。

 

駅構内は確かに難民の姿も目立ちましたが、彼らが何かをするわけではなく、ドイツに行ける順番を静かに待っているかのようでした。

 

駅周辺や駅構内にはヨーロッパの地図も貼られていて、ウィーンがどの辺に位置しているか色が塗られ、ここにようこそ!なんて文字も見られ、英語の他にアラビア語が目立っていました。

至って平和で、あまりいつもの西駅の雰囲気と変わりませんでしたが、オーストリアの警官が多く配置されていて、治安に気を使っていることがわかりました。

 

 


 

ウィーンからrailjetに乗ってザルツブルクに着き、ザルツブルクの市内観光をしましたが、お客様はそのままザルツブルクに泊まるので、私はひとりでまたザルツブルクからrailjetで戻って来ました。

ウィーンに向かっている車内で、その日の夕方17:00頃からドイツがオーストリアとの国境審査を一時的に導入し、ザルツブルクからドイツに電車が入れなくなっていることを聞きました。

ドイツのミュンヘンはこれまでの難民流入で飽和状態となっているようで、少し難民の流入に歯止めをかける目的だということです。

また、難民の国籍などをしっかり把握し、本当に難民であるのかなどのチェックが行われています。

ドイツのメルケル首相はオーストリアのファイマン首相と電話で確認しました。

本来、オーストリア~ドイツはシェンゲン条約加盟国で国境審査は行われません。

 

夜、再びウィーンの西駅に戻ると、昼間見たよりも遥かに多くの難民が駅周辺にいました。

昼間の間に西駅に到着した人々が多くいたのでしょう。

カリタスを初めとして慌ただしく人が行き来しています。

 

 


 

今日からハンガリーは不法入国者の取り締まりを強化しています。・・・ということは

セルビア経由のハンガリールートでEUに来ることが制限されたことになります。

不法入国者は3年まで(場合によっては5年)の実刑となることが決まり、その場での強制送還もあり得るということです。

数日前に紹介したEU諸国で難民を分配することについては残念ながら昨日の段階では結論が出なかったようで、まだまだ議論が続くようです。


ドイツが一時的に国境審査を始めたことで、オーストリアも同様に新たに2.200人のオーストリア軍も導入して国境審査や警備,難民のケアーにあたっています。

 

ウィーンの治安はいつもと変わらず良く、生活や観光などには全く影響はありません。

 

 

 

 

 

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