今日から8月です。ここ数日は気持ちのいい朝が続いていて、先週の猛暑日の連続がうその
ようです。しかしまた今日から予報では30℃を越えそうで来週は猛暑日が続くようです。
さて、ウィーンの国立オペラ座はリンク道路沿いの重要な建造物で、シュテファン大聖堂に通じるケルントナー通りに面していることもあり、ウィーンに滞在されれば何回も見ることになるでしょう。
また、定期的に行われている国立オペラ座内部見学も人気があります。
今日はその国立オペラ座にある大きなサロン的広間について触れてみます。
この国立オペラ座については何回か話題にしているので興味ある方は以下も御参照下さい。
長方形的で左右に飛び出したウィング構造をしている国立オペラ座の中には、幕間に
くつろいだり、待ち合わせ場所として使われる3つのサロン的大きな広間があり、
それぞれの広間は2階に作られていて、どれも個性があります。
こちらは"大理石の間"です。
国立オペラ座を正面から見て、一番左側端に位置した空間で120m x 9mの大きさです。
とてもモダンな雰囲気で、白を基調とした明るい内部空間です。
床はザルツブルク産の大理石が使用され、壁にはヨーロッパからの大理石が使用されクローク、衣装係、リハーサル、小道具、女優と監督、大道具、舞台美術家などオペラ座の幕裏の日常風景が描かれています。
第2次大戦以降にこの大理石の間は一般に開放されるようになりました。
こちらはシュヴィントの間、またはロビーとも言われている広間でオペラ座正面の2階に位置しています。
元々ロビーは社会的地位の高い人達の待合室でしたが、19世紀後半から裕福なお客達が社交場としてのロビーの可能性を見つけました。
この広間は歴史的空間で、第2次世界大戦の戦災を免れた空間ですので、ちょっと古そうな古典的な空気が漂っています。
国立オペラ座は1868年に完成していますが、当時の貴重な空間を見ることができます。
シャンデリアも電気ではなく当時はガス灯が使用されていたことがわかります。
この広間にはモーリッツ・フォン・シュヴィントによる作曲家のオペラを中心とした作品
の場面が描かれていて、同時にその下にはモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ハイドン、ウェーバーなどが全部で14人の作曲家の像を見ることができます。
またカラヤン、カール・べーム、マーラー、リヒャルト・シュトラウス、クレメンス・クラウスなど国立オペラ座を指揮した歴代総監督の像も置かれています。
こちらは一番右側にある、以前はゴブランの広間と呼ばれていた、マーラーの広間です。
グスタフ・マーラーの国立オペラ座デビュー100年記念の1997年に改名されています。
ここにはマーラーのモダンな肖像画や彼の小さなピアノが展示されています。
また壁にはモーツァルトの魔笛をテーマにしたゴブラン織りを見ることができます。
ここを訪れた方はゴブラン織りをよ~く観察するとパパゲーノが登場していますよ。
この広間も第2次世界大戦以降に観客に開放されました。
このマーラーの広間は音響も非常にいいことからよく演奏会にも使われ、また国立オペラ座管弦楽団(と言ってもかなりのメンバーはウィーンフィル)のリハーサルにも使われているということです。
それぞれの広間では飲み物やちょっとした軽食が有料サービスで提供されていて、文字通り社交的に使用されています。
この3つの広間以外にも座わってくつろげるちょっとした空間があります。