国立オペラ座の舞台裏事情 2

ウィーンの国立オペラ座は年間約300回の公演数で、2日として同じ演目が続かないという

想像を絶する運営状況です。

去年この国立オペラ座の舞台裏事情1で、セットの搬入口や組織について少し触れました。

今回は国立オペラ座の舞台そのものを見てみましょう。


 

こちらは国立オペラ座の舞台で、右に黒い幕が見えますが、その先が客席となっています。

ロジェと言われるボックス席が見えています。

 

舞台は基本的に大きなひとつの空間ですが、主舞台、前舞台、舞台袖、舞台後ろと大きく

4つに分けることができます。

 

客席側と舞台を仕切る緞帳は"鉄のカーテン"とも呼ばれ、火災時の防火幕としても機能する

ようにできています。

写真では、緞帳は上に入っているので見ることができませんが、それが収納されるスペース

をハッキリ見ることができます。

1881年のリンク劇場の大火災から教訓を得て、オーストリアの劇場法が根本的に見直された結果、取り付けられました。

 

 

 

舞台は客席側から後ろの搬入口まで、客席の奥行きの倍である50mの奥行きがあり、

通行できる幅は18m(全体幅21m),通行できる高さは10.3mです。

つまり舞台の敷地面積としては約1.000m²もあるわけです。

 

昇降移動型を電動油圧制御により3m x 18mの6つの迫り、1m x 14mの昇降ブリッジ、

3つのステージワゴンから成り立っています。

6つの迫りと昇降ブリッジは、+3mの舞台上から、-11.15mの舞台下の奈落へ動かす

ことができるようになっています。

 

客席から舞台を見ると、限られた空間から奥を見るだけで、しかもセットが組み立ててあれば奥までは見ることができないわけです。

しかし、この舞台領域に入って初めて舞台の広さに驚かされることになります。

 



国立オペラ座ではリハーサルなどの関係もあり、不定期ですがかなりの回数でガイドツアーが行われています。日本語ガイドツアーも提供されています。

ここは個人で見学することはできませんので、ガイドツアー以外で中を見ようとすると、

実際に公演を見れば中に入れます。


しかし、ここは絶対にガイドツアーがお勧めです。

説明あって見学するのと、なしでただ見るのとは月とすっぽんです。

ガイドツアーで提供されている日であれば、私は皆様だけをお連れし御案内します!







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