ウィーンの街を観光で歩く時は必ずと言っていいほど国立オペラ座の場所がひとつの目安になると思います。
国立オペラ座は1868年にリンク道路最初の大建造物としてプランされ、シッカルズブルク、ニュルという2人の建築家によりルネッサンス様式で建てられました。
国立オペラ座では年間約300回の公演数であり、2日として同じ演目が続かないという
大変な運営状況です。
今回はこの国立オペラ座の舞台裏事情について少しまとめてみたいと思います。
この国立オペラ座については何回か話題にしているので興味ある方は以下も御参照下さい。
国立オペラ座の公演数は年間約300回! それだけの公演に使われるセットは国立オペラ座の建物には収納できないため、ARSENALという中心から離れた別の場所にいわゆる倉庫があり、そこから毎日この写真に見られる
トラックが大きな荷台を連結させてオペラ座の裏側にやって来ます。そしてこの荷台が切り離され、国立オペラ座の建物の真後ろの搬入口に入り、エレベーターでそのまま地下に降りるというすごい実情です。国立オペラ座の裏側はホテルザッハーがありますね。
この写真に見られる"ART FOR ART"は2005年に"Theaterservice GmbH"の100%
子会社として設立され、舞台セットの搬入を始め様々な舞台関係の仕事をしています。
1999年に100%国に属する"Bundestheater-Holding GmbH"が設立され、
同時に子会社として"Wiener Staatsoper GmbH“, "Volksoper Wien GmbH“, "Burgtheater GmbH“ "Theaterservice GmbH“の4つも設立されています。
これらはÖsterreichisches Bundestheater(オーストリア連邦劇場)に属しますが、Bundestheaterは、19世紀のハプスブルグ帝国時代に設立された劇場連盟がおおもとで、約2.500人が従事した世界最大規模の劇場企業で、国立オペラ座を始め、国民歌劇場、ブルク劇場とその中に入るアカデミー劇場から成り立っています。
こちらはちょうど国立オペラ座の搬入口が開けられた所で、許可をもらって撮影しました。
いわゆる舞台の一番後ろ側ということですね。この長細いスペースに前述した荷台が入る
わけです。
国立オペラ座だけでこのトラックが1カ月に最低300台はここに横付するわけですから大変な実情であることがわかります。