ウィーンの王宮(Hofburg ・・・ホーフブルク)は、13世紀から始まり、ヨーロッパで
一番長く続いたハプスブルグ家の居城として、そのハプスブルグ家が神聖ローマ帝国の皇帝やドイツ王にかなりの長さで就いたため、歴代神聖ローマ帝国の皇帝の居城として様々な
増改築と色々な建築様式から成り立っているという、とても複雑な構造をしています。
すでに、王宮についていくつか書いていますので、参考にして下さい。
こちらは王宮に組み込まれている伝統ある
アウグスティーナ教会です。
ここはハプスブルグ家のフリードリヒ美王によって1327年にアウグスティヌス修道会が呼ばれ、1349年に教会が奉納され、現在でもアウグスティヌス修道会がここで活動して
います。
この場所は国立オペラ座裏にあるアルベルティーナ広場から見ることができますが、教会界隈に行っても教会の入口が見つかりません。
教会を通りながら、もっと奥まで進みます。
するとこのような建物に囲まれた、コの字型広場に出ます。
この広場はヨーゼフ広場で、マリア・テレジア女帝の長男ヨーゼフ2世の騎馬像が右を向いて立っています。
この騎馬像は、Franz Anton von Zauner によるもので1807年に製作されました。
この広場のコの字型3部分はここに立つとよくわかりますが、3部分とも同じニコラウス・パッカシによる外観で、外観自体は18世紀後半です。
騎馬像を背にして正面の部分、つまりこの写真でいう左側は、世界で最も美しいと言われる、1726年に作られた有名な国立図書館のプルンクザールがあります。
騎馬像を背にして右側部分、この写真の奥は、Redoutensaaltrakt(レドゥーテンザールトラクト)という仮面舞踏会の間で、マリア・テレジアが17世紀からこの場所にあったオペラハウスを改築させ、演奏会や舞踏会に使われました。
騎馬像を背にして左側、つまりこの写真では見えない手前側に、Augustinertrakt
(アウグスティーナトラクト)があり、1773年に建てられました。
ここに、前述したアウグスティーナ教会の入口があります。
入口は建物に同化しているので、一見教会の入口らしくは見えません。
ウィーンの王宮はとても複雑です。時代に合わせた建築様式の違いを是非見て下さい。