ウィーンは魅力的な教会がたくさんありますが、今回はオペラ座のすぐそばにある
歴史的にも重要なアウグスティーナ教会について少し書きたいと思います。
アウグスティーナ教会は、国立オペラ座の裏にあるアルベルティーナ広場のすぐそばにあり、ぽつんと建物から教会の塔が突き出している所です。
この教会は王宮に組み込まれていて、1327年ハプスブルグ家の
Friedrich der Schöne(フリードリヒ・デア・シェーネ・・・ 1286~1330)・・・フリードリヒ美王によって、靴をはいていいアウグスティヌス修道会が呼ばれ、ここに教会と修道院が作られます。
1339年に教会が作られ、1349年に奉納されています。
ちなみにフリードリヒ美王は、当時のGegenkönig(ゲーゲンケーニヒ)という対立王でした。
神聖ローマ帝国では11世紀~15世紀によく対立王(自分こそが正当な王であるということを宣言する王)が本来の王様以外にも存在していました。
当初ゴシック様式のこの教会はポツンと独立して建てられましたが、後の王宮の増築によって王宮に組み込まれる形となりました。
15世紀のウィーンの街並みを参照して下さい。
1631年に皇帝フェルディナント2世は、もっと規律が厳しい、靴をはいてはいけないアウグスティヌス修道会をプラハから呼び寄せ、昔からここにいた靴をはいていいアウグスティヌス修道会はここを追い出されます。
1634年に宮廷教会に任命されています。
その後この教会はバロック化されますが、1785年フェルディナント・ホーエンベルクによってバロック様式が取り除かれ、当時のゴシックをベースにし、窓なども大きくして現在の姿になっています。
こちらは教会内部です。
ゴシック様式ですが、かなりすっきりした内部空間を感じます。身廊は長さ43m,高さ20m、
内陣は40mで高さ24m,幅10mです。
正面祭壇は、Andreas Halbigによるもので1874年から置かれています。
この教会は何と言っても1634年から1918年までの宮廷の教会だったので、ハプスブルグ家の結婚式が執り行なわれた教会としても知られています。
例えば・・・
マリア・テレジアとロートリンゲン公フランツ・シュテファンが1736年に、マリーアントワネットとルイ16世の代理人とが1770年、フランツ・ヨーゼフとエリザベートが1854年に結婚式を挙げています。
また、この教会はGeorg礼拝堂、ロレット礼拝堂や、マリア・クリスティーナの素晴らしいお墓、ハプスブルグ家の心臓が収められているHerzgruftがあることでも知られています。
この教会入口はヨーゼフ広場にありますが、1773年ニコラウス・パッカシの改築のおかげで隠されてしまいましたので、少しわかりにくいです。
1838年ここのアウグスティヌス修道会がなくなりますが、1951年から再びここにはアウグスティヌス修道会が活動を続けています。