ハプスブルグ家事実上最後の皇帝(実際は後ろから2番目)のフランツ・ヨーゼフ1世の
奥さんが、バイエルンのエリザベート(愛称「シシィ」)というのは有名ですね。
ウィーンは多くのエリザベートファンの方が訪れます。
街中には、彼女の一番知られた肖像画を使ったお土産、宣伝、お土産袋など至る所に見られます。
エリザベートの跡を辿ったり、記念像を見る方も多いわけですが、たいていの方はリンク沿いにあるVolksgarten(フォルクスガルテン・・・国民庭園)にある像を見に行かれるでしょう。
今回は意外と知られていない、ウィーン西駅構内にある
エリザベート像です。
この像はもともと昔の西駅にありました。
そもそもこの西駅は作られた当時、西駅ではなく、 „k.k. priv. Kaiserin-Elisabeth-Bahn“「宮廷エリザベート皇后鉄道」という名で、皇帝フランツ・ヨーゼフが1857年3月4日に工事許可を出し、その翌年の1858年ウィーン~リンツ間が開通しました。
そんな事情から、1860年有名な彫刻家ハンス・ガッサーによってこのエリザベート記念像が作られて、ここに置かれることになりました。
ハンス・ガッサーは1817年、オーストリアEisentratten(ケルンテン州)の出身です。
この像は大理石で作られ、エリザベートと同じ等身大です。
第2次世界大戦で西駅はかなりの被害を受け、1949年に取り壊されてしまいます。
その後、このエリザベート像はずっと国が管理する家具倉庫(Bundesmobiliendepot)
に置かれていたようで、1982年に新たに発見されて、
1985年から現在の西駅に再び
置かれています。
現在の西駅と書きましたが、その現在の西駅も最近駅ビルが追加されてかなり変わりました。1985年からはエリザベート像は日本で言う1階にありましたが、現在は2階に置かれています。
何かと話題性があるエリザベートですが、彼女は幼少時代、本当に子供らしい幼少時代を
過ごし、感覚も普通の人だったんでしょうね。
皇帝フランツ・ヨーゼフに一目惚れされ、結婚が決まってウィーンに嫁いでからは予想はしていたと思いますが、それを上回る環境変化だったわけです。
エリザベートに御興味あれば是非、王宮の「シシィ博物館」に行ってみて下さい。